博報堂時代に、リクルートの「フロムエー」のラジオCMを担当していました。当時ラジオCMは長くても60秒。僕はもっと長い、ドラマのようなラジオCMをやりたかった。そこで、120秒のラジオCMを企画しました。28歳のときです。内容はインタビューで、日本からロサンゼルスに渡り、ショービジネスで成功しようとがんばっている若者に、2週間かけて50人に会いました。話を聞いていて、僕はショックでした。自分は本当にがんばっているだろうか、もっとできることがあるのではないか、と考えたし、まもなく定年を迎えるミキサーの辻さんは、「僕やっぱりこっちでラーメン屋さんやるよ」と言い出すくらい。この企画は翌年もしました。だからロサンゼルスのショウビジネスにいる日本人の若者たちのほとんどに会いました。このひとたちの多くは今、成功しています。それがとてつもなくうれしい。僕が本を書く原点はここにあります。そして多くの本は当時まだ20代だった彼らのような人へのラブレターです。