僕が入社した時期は広告業界が非常に元気なときでした。糸井重里さんを筆頭にコピーライターブームもあり、優秀な人材が広告業界に入っていった。いい時期に博報堂に入ったと思います。そのなかでも藤井達朗という大天才に出会えたことは大きかった。藤井達朗師匠にはとてもかわいがっていただき、ものの作りかた、世界の作りかたを教わりました。そして、映像に関するあたたかさ、やさしさも伝えていただきました。出会いから半年後藤井達朗師匠は喉頭がんで亡くなってしまいます。悲しいできごとでしたが、教えはより鮮烈に記憶に残りました。ずっと一緒にいたらいずれは反発も疑問も生じたかもしれませんがそれが全くなかった。今となってはそれがよかったのかもしれないと思います。