ホテルやレストランのサービス研修をやるようになったのは30代半ばのころから。親が水商売をしていたので、サービスへの意識は高かった。でも、20代のころは逆にその分野を避けていました。親の大変な姿を見ているので、違うところへ行きたかった。でも30代になるとDNAが素直に表に出てきました。ふり返ると、もともと好きで、よく足を運んでもいた。最初は連れて行った女の子をお姫様にしてあげたい、ただそれだけでした。それがいつからかホテルやレストランからも相談を受けるようになった。これは蓄積があったからです。なんでもそうですが、「これをやってくれませんか」と言われて、「これから調べます」では難しい。始めるときにすでに体験済みで、10年以上の蓄積がないと本当の仕事はできないのです。また、ホテルやレストランは面白い業界で、世界中が一つの会社です。別のお店に移った、というのは会社での部署異動みたいなものです。だから、つながると狭く深い世界です。